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ロックの部屋

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SANTANA

サンタナ『MOONFLOWER』



70年代から欲しい欲しいと思っていて未だに持っていないアルバムが、【サンタナ】の『天の守護神』というアルバム。サンタナの最高傑作とも言われているこのアルバムには、サンタナを代表する超有名な「ブラック・マジック・ウーマン」という曲が入っています。

ラテン風のビートに泣きのカルロス・サンタナのギターが響きわたります。原曲である【フリートウッド・マック】の曲をさらに軽快で気持ちの良いリズムにさらしめた曲です。

70年代前期のロックと言えば、楽器の進歩とレコーディング技術の進歩と同時にミュージシャンの演奏力の向上といった事があったと思います。プログレッシヴ・ロックがその先導的な役割を担っていたという側面もあるのですが、その一方でジャズ畑のミュージシャンがロックに接近していったという事があります。【ウェザー・リポート】や【ジョン・マクラフリン】といった人達、そしてサンタナはロックにラテンの民族性を持ち込んで成功した最初のアーティストではなかったでしょうか。

カルロス・サンタナの官能的なギターの響きは、それまで聴いたことがない新鮮さに満ちあふれていた。ギターテクニックでは超一流なのは間違いがないのだけど、それをひけらかしているようには聞こえない所が良いです。

さて、この『MOONFLOWER』というアルバムは77年にリリースされた、ライブ録音が8曲、スタジオ新録音が8曲という変則的な構成になっているアルバムですが、なかなか聴き応えがあります。

先の「ブラック・マジック・ウーマン」も、勿論入っていますが、ご機嫌なダンスナンバーの「DANCE SISTER DANCE」もあって楽しめます。通常にありがちなダンスナンバーではなくて、コンガがポコポコ鳴って軽やかラテンなんだなぁ。デジタルリズムっていう表現でもいいかな。ベースもドラムスも早弾きで軽い。コーラスも感情移入なんてのはなくてリズムと一体化しています。ギターはフュージョンぽいかな。

この独特の演奏スタイルは、日本の高中正義あたりにも影響があったんではないかなどと私は思います。

「哀愁のヨーロッパ」も素晴らしいです。こんな曲を目をつぶりながら、ギターの弦に感情移入しながら弾いてみたいものです。

【ゾンビーズ】の「SHE’S NOT THERE」もカバーしていますが、高品位なモダンなラテンリズムとの相性が抜群に良いです。間奏のオルガンもスリル満点でゾクゾクです。

そして表題曲の「MOONFLOWER」、これはもう、とろけそうな泣きまくっているギターです。美しすぎる!!MOONFLOWERとは夕顔という花の事で、夕方に白い花を咲かせて翌朝には萎んでしまうそうです。はかない花ですね。源氏物語にも出てくるそうですが私は知りません。そういえば曲のイメージも美しさと、はかなさが感じられます。

こんな花です。↓綺麗ですね。


極め付きは「TRANSCENDANSE」のカルロスサンタナの早弾き。これにはびっくりさせられます。優しい歌詞もなかなか良いのです。

《TRANSCENDANSE》
♪ハロー また戻ってきたよ
 君と気持ちを分かち合うためにね
 驚いたかい
 戻るって言っただろう
 だから今ここに居るのさ

 さよならを言うときも
 笑顔のままで
 踊り続けよう
 笑顔のままで
 笑って……
 笑って……♪




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